▶過去優勝者インタビュー

 
第2回 チョコレート イノベーション コンテスト 2020
総合優勝者 / Innovativeぺイストリー部門優勝者 橋爪 里奈 さん
ザ・リッツ・カールトン大阪 フランス料理ラ・べ
(パティシエ/ショコラティエ歴:4年半)

 

優勝作品 Innovation ペイストリー部門優勝「星紅玉~Star Ruby~」

なぜ「チョコレート イノベーション コンテスト」に応募しようと思ったのですか?

募集を知った途端に、「挑戦したい!」と心惹かれたんです。経験年数に制限がなく、フォト部門があることへの魅力も感じました。テーマ素材であるルビーチョコレートは実は食べたことも使用したこともなかったので、なおさら「新しいものを創ることができる」と思い応募しました。

 

「チョコレート イノベーション コンテスト」をどこで知りましたか?

第1回大会に参加された方のSNSを通じて知りました。すぐにコンテストについて調べたんですが、当初は、「私には難しすぎるコンテストだな」と気落ちした記憶があります。もっと経験を積んでからでないと…。でも、その方のSNSの投稿を見るたびに感化され、最後には、挑戦することを決めました。

 

応募するにあたって工夫したことはどんなことですか?

食べた人に「美味しい」だけではなく「驚き」も与えたくて、フードペアリングはもちろん、パーツひとつひとつを追求しました。ケーキの中にギモーブを入れたのは、大きなポイントです。ケーキの中からギモーブが出てくるなんて想像できませんし、想像しないと思います。お客様に「Wow!」を与えるアクセントになっています。

作品を作ること以外では、審査員の方々が分かりやすい応募資料を作り、ケーキの良さが伝わるような資料を添付したことです。手描きですが、断面図を描き、どこにルビーチョコレートが使われているか一目でわかるように工夫しました。

 

応募するにあたって苦労したことなんですか?

ルビーチョコレートの特徴である天然のピンク色をどう活かすことに、とても試行錯誤しました。。「見た目で全面にピンクを使いたい」、なおかつ「なるべく本来の色を出したい」と考えていましたが、ルビーチョコレートのピンク色は、温度や水分の環境にとてもセンシティブで、ピンクや赤系の天然由来の素材をつかった色の補正を何度も繰り返しました。私はビーツを使用しましたが、色味のあるものを入れて補正することは誰にでもできます。そこで、和素材のみりんを使用してチョコレートの色を活かすことで、オリジナリティーを高めました。

コンテストへの挑戦が2回目でしたので、レシピ作成や審査員の方々へのアピール、写真撮影など、より「伝わるもの」を仕上げる難しさも痛感しましたね。

 

応募した結果をどう思いましたか?

予選通過を目標に挑戦したコンテストでしたので、総合優勝という結果は手が震えるほど嬉しく、驚きが大きかったです。自分の考える「美味しい」を評価して頂けたことは、今後のさらなるモチベーションアップに繋がります。大々的にアピールしていない小さなこだわりをレシピから読み取り、私の考えをケーキの試食で汲み取って頂けたことがとても嬉しいです。

 

応募した結果、変わったことはありますか?

コンテストに挑戦する難しさや楽しさを知ることができましたし、一番はテーマ素材であるルビーチョコレートへの理解が深まりました。

また、コンテストへのイメージは大きく変化しました。もともと、私にとってコンテストというと「主催者が求める美味しいもの、美しいもの」を作り、それを評価して終わり、というイメージだったんです。決して悪いイメージではないのですが、自分の力試しと言いますか、参加者側の一方的な挑戦だと思っていました。ただ、このコンテストに参加したことで、コンテストを「自身の成長を助けてくれるチャンス」のように感じるようになりました。オンラインでしたので、対面ではお話できませんでしたが、作品についてのコメント、フィードバックをしっかりして頂けて、とても感謝しています。

「チョコレートのコンテスト」ではなく、「イノベーションのコンテスト」なのがとても魅力的ですね。

 

今回のテーマである「サステナブルに調達されたチョコレート」に関してどう思いますか?

参加者がサステナブルフードについて深く知るきっかけになると思います。私自身もそうでした。

チョコレートは世界中多くの人に愛される身近な嗜好品ですし、パティシエとして欠かせない食材です。ですが今まで、森林伐採や土壌汚染などの環境への影響や、食材の生産国、生産者の生活環境などを考えたことがありませんでした。何気なく食べているものがどのようにして作れられていて、環境や人にどのような影響を与えているかを知るきっかけとなったのが、サステナブルに調達されたチョコレートでした。チョコレートに限らずサステナブルフードは、これから私たちパティシエが菓子産業で仕事を続けていくために重要視しなければいけないことだと思っています。

今はお菓子作りに必要な小麦粉、生クリーム、バター、チョコレート、ナッツなどは望めば手に入れることができますが、現状をより良い方向へ変えなければ、5年後、10年後には限られた人にしか手に入れられない希少なものになっているかもしれません。お菓子を食べることができる人も限られてしまう。そんな望まない未来にならないために、サステナブルに調達された食材の重要性を考えて共有していくことが大事です。身近にあるチョコレートからそのような意識が大勢に芽生えるといいなと思っています。

 

最後に、今年、応募を検討している人にメッセージをお願いします。

完全オンラインという今の時代に合ったコンテストですし、配送可能でイノベーティブな作品の考案は今後のビジネスにも活かすことができます。コンテストですのでもちろん順位付けがありますが、結果ばかりに注目するのではなく、自分の可能性を広げるためにぜひ挑戦していただきたいです。クリエイティブな発想を多くの人に感じてもらってください。今の自分のベストを尽くす素敵な機会だと思いますので、多くの人に参加していただきたいです。